『Rで学ぶデータサイエンス 8 ネットワーク分析』 の冒頭の文書から、ネットワーク分析とはいかなる学問であるかがわかる部分を抜粋します。
##ネットワーク分析とは##
ネットワーク分析とは、さまざまな対象における構成要素間の関係構造を探る研究方法である。
さまざまな種類のネットワークは”複数の点が何らかの関係でつながったものという点で共通しており、それゆえ同じ方法で研究することができる"という発想が根本にある。
ネットワーク分析では、人間関係やウェブページのリンクなどの構造を、点と線によって構成される構造として抽象化してとらえる。
##ネットワークの具体例##
人間関係などの社会ネットワーク
流通網
WWW
食物連鎖
神経ネットワーク
##部分と全体##
全体について何か知ろうとするとき、その構成要素について知るだけでは十分ではない。
例えば、集団の構成員を知るだけではその集団を十分にわかったことにはならないし、物質に含まれる分子を知っただけではその物質を知ったことにはならない。
重要なのはそれらの構成要素がどのように結合して全体としてのネットワークを形作っているかということである。
ネットワーク分析には、個々の構成要素だけでなく、それらの間の関係についての情報が必要となる。
##ネットワークとグラフ##
人間関係やコンピュータネットワークのような具体的な関係構造のことをネットワーク: network
それらを点(頂点 node)と辺(edge / link)の抽象化したものをグラフ: graph
【参考文献】
金明哲『Rで学ぶデータサイエンス 8 ネットワーク分析』2009 共立出版 序文、1,2pp