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Rを用いてdot plotを描写

Rを用いてdot plotを描写する方法を勉強しました。
dot plotには平均値と標準偏差を同時に記述することが多いので、今回もその慣例に従いました。

参考にさせていたいたのは下のリンクです。

http://minato.sip21c.org/swtips/MedicalStat-Rev.pdf

まずは、以下のデータをEXELで用意して、tab区切り形式で保存します。

あとはRを開いて以下のコマンドを実行すればよいです。

$ R


#データの読み込み
> dat <- read.table("body_height.txt", header=T)
dat <- as.data.frame(dat)

> dat
   Male Sex
1   170   1
2   175   1
3   181   1
4   176   1
5   167   1
6   180   1
7   156   2
8   150   2
9   153   2
10  148   2
11  157   2
12  149   2

#Sex列を要因(factor)にする
dat$Sex <- as.factor(dat$Sex)
levels(dat$Sex) <- c('M','F')

dat
   Male Sex
1   170   M
2   175   M
3   181   M
4   176   M
5   167   M
6   180   M
7   156   F
8   150   F
9   153   F
10  148   F
11  157   F
12  149   F

#各列名単独で列の要素にアクセスできるようにする
attach(dat)


#平均値、標準偏差を計算
mean <- tapply(Height,Sex,mean)
sd <- tapply(Height,Sex,sd)
is <- c(1,2)+0.15


#ドットプロットを描写
stripchart(dat$Height~Sex,method="jitter",vert=T,ylab="body height(cm)") 
points(is,mean,pch=18)
arrows(is,mean-sd,is,mean+sd,code=3,angle=90,length=.1)


統計局ホームページ

国勢調査の結果など国が持っているデータにWeb上でアクセスする方法がわかりました。
統計局ホームページに行けばよいのです。
http://www.stat.go.jp/

総務省統計局、
政策統括官(統計基準担当)
統計研修所
の共同運営による統計専門サイトだそうです。

国の統計の中枢機関として、私たちは、国勢調査を始め国勢の基本に関する統計の企画・作成・提供、国の統計全体の企画及び横断的な調整、また、国及び地方公共団体の統計職員に専門的な研修を行っています』だそうです。

統計や疫学が大好きな人間としては、とても興味深いですね。

手っ取り早く遊ぶには、
"日本の統計" http://www.stat.go.jp/data/nihon/index.htm
 にいくと良いと思います。

この中でも、2012年度版の"第2 人口・世帯" http://www.stat.go.jp/data/nihon/02.htm
の"年齢各歳別人口"のデータをダウンロードしてデータを可視化してみました。

これがダウンロードしたデータです。


このデータの中で、年齢と総数についての列を切り出して、年齢0 - 100の区間で棒グラフを作成したのが下です。


とても考えさせる図ですね。60代前半のベビーブームとそのジュニア世代にピークが見られるのがなんとも興味深いですね。そして、65歳以上の人口もかなりの割合を占めていることがわかります。

何も難しい統計手法を用いなくても、全体のデータの分布をしっかりと可視化することで、様々な情報を得ることができるのですね。

他にも細かい統計データが満載で、EXELデータも大量に手に入りますので、皆さんもぜひ、日本の将来を考える意味でもいろいろと眺めてみてください。


症例対照研究の統計学的バックグラウンドの詳細

今回は症例対照研究の統計学的なバックグランドについて考えたいと思います。
症例対照研究 case-control study / retrospective study、ある特定疾患の患者群と非患者群の2集団について、個人の過去の記録から、ある要因に曝露していたか否かを調べ、因果関係を研究するスタイルです。

症例対照研究では、現に存在する患者群と対照群を慎重に選定さえすれば、情報はすべて過去の記録を調べればよいので、割に簡単に行うことができる研究方法です。

症例対照研究では、オッズ比(図2のad/bc)から近似的に相対危険度を推定し、その大きさで、因果的関連のある要因を選び出すことが多いです。

オッズ比を用いて相対危険度を推定することに関して今回は少し深く扱います。

私たちが疫学を用いて知りたいことは本来、要因の相対危険度です。相対危険度とは図1のA/(A+B)とC/(C+D)の比です。相対危険度とはコホート研究(prospective study)を行うことで、下の表が決定されてはじめて求めることができます
もしも、症例対照研究において、図2のa/(a+b)とc/(c+d)の比を求めようとするものなら大間違いです。なぜなら、要因の有無別に分けたa + bとc + dは意味を持たないからです。a+b, c+dは患者群と対照群を同じ割合で代表しているわけではないからです。

#図1 コホート研究の分割表


#図2 症例対照研究の分割表



それでは、症例対照研究で要因と結果の因果関係をするうえで有用なパラメータは何なのでしょうか。
実はこれがオッズ比です。Q1およびQ2 を未知の標本の抽出率として(症例対照研究は未知のコホートを想定している)、

a + c = Q1(A + C)より
a = Q1A, c = Q1C

b + d = Q2(B + D)より
b =Q2B, d = Q2D
として
想定する母集団のコホートのオッズ比は、
AD/BC = (a/Q1)(d/Q2)/(c/Q1)(b/Q2) = ad/bc
となる。
この結果から、症例対照研究において、サンプルのオッズ比を計算することは、母集団のオッズ比を反映することになる。

ところで、私たちの本当の目的は相対危険度を求めることである。
冒頭で挙げた『症例対照研究では、オッズ比(図2のad/bc)から近似的に相対危険度を推定し、その大きさで、因果的関連のある要因を選び出すことが多いです。』という一文の本質に迫りたいと思います。
オッズ比から近似的に相対危険度を推定できるのは、一般に罹患率や死亡率などの小さい発生率のものに限られます。
これらの率では、図1において
A + B ~= B
C + D ~= D
と近似できるのです。なぜなら、A<<B, C<<Dだからです。
このとき、
{ A/(A+B)} / {C/(C+D)} ~= {A/B} / {C/D} = AD/BC = ad/bc
となります。
以上のことから、

『症例対照研究では、オッズ比(図2のad/bc)から近似的に相対危険度を推定し、その大きさで、因果的関連のある要因を選び出すことが多いです。』

と言うことができます。


################### 以下実例  #####################
新版 医学への統計学  p136より

「女性について肺癌患者108名、対照群108名を選出し、喫煙歴について調査してみると、下の表が得られた。相対危険度を推定し、その有意性の検定、ならびに95%信頼区間を求めよ」



この問題を考える上で大切なことは、下の(1)式で示すχ値の二乗値が標準正規分布に従うことです。

具体的な計算は以下のようになります。以下の式(4)は、,Miettienのの検定に基づく信頼区間と呼ばれています。

計算の結果、危険率5%の条件下でオッズ比は1よりも有意に大きいことがわかります。また、オッズ比の95%信頼区間は、1.19 〜 3.54 となります。有意差検定の結果を反映して、信頼区間には1が含まれていません。
一般に肺癌の罹患率は小さいため、オッズ比 2.05(1.19,3.54)は近似的に喫煙の肺癌罹患に関しての相対危険度と考えることができます。

【参考文献】
古川俊之 丹後俊郎『医学への統計学』朝倉書店 1993 133 - 136pp


疫学研究デザインの分類

疫学研究デザインは以下のように分類されます。


#################################################
1.観察疫学研究 observational epidemiology
  a.記述疫学研究 descriptive studies
  b.生態学的研究 ecologic studies
  c.横断研究 cross-sectional studies
  d.コホート研究 cohort studies
  e.症例対照研究 case-control studies
2.介入疫学研究 interventional epidemiology
  a.個人割付介入研究 individual intervention
  b.集団割付介入研究 group intervention
#################################################

各々のデザインについて


#1.a.記述疫学研究 descriptive studies
暴露に触れずに疾病頻度を明らかにするもの。

#1.b.生態学的研究 ecologic studies
既存のデータを利用して、集団間の暴露と疾病頻度の関係を比較することによって、疾病の危険因子を模索するための研究。
曝露や疾病発生を個人単位ではなく、集団としてしか把握しないため、結果は次の研究のための仮説形成に留め、コホート研究を行うことが一般的である。

#1.c.横断研究 cross-sectional studies
個人の暴露と疾病発生の評価を同時に行うもの。
疾病発生によって変化する可能性がある暴露については、疾病状態が疾病発生の原因なのか、それとも疾病発生のために暴露状況が変化したものかを十分に検討する必要がある。

#1.d.コホート研究 cohort studies
まず曝露群と非曝露群を設定する。次に、これらの集団を観察していき、両群での疾病発生頻度を観察し、比較する。
観察の方向性は「曝露」→「疾病発生」であり、疾病の自然史に矛盾しない
追跡を完全に行うことは難しく、かつ時間、手間、研究費を大量に消費する。
稀な疾患を対象といsたコホート研究は事実上不可能。

#1.e.症例対照研究 case-control studies
症例群(患者群)と適切な対照群を設定し、それぞれの群で曝露状況を比較し、曝露と疾病発生の関連を明らかにする研究デザイン。
観察の方向性は「疾病発生」→「曝露」であり、疾病の自然史に逆行する
オッズ比を計算し、これをもって相対危険とする。
疾病発生が出発点なので、稀な疾患でも頑張って症例を集め、適切な対照群を設定すれば、研究として成立する。

2.介入疫学研究 interventional epidemiology
コホート研究とほとんど同じ。
唯一違うのは、介入研究では介入群(曝露群)と介入群(非曝露群)の指定を研究者が行う点にある。
コホート研究や症例対照研究では完全に制御できな可能性がある交絡因子を完全に制御できることが期待される。
倫理面での配慮が必要(もちろん、医学研究はすべて倫理面の配慮が必要ではあるが)。



【参考文献】
中村良一「基礎から学ぶ 楽しい疫学」医学書院 2002 45 - 78pp

症例対症研究とオッズ比

症例対照研究(case - control study)は別名, 後ろ向き調査(retrospective study)と呼ばれ、コホート調査とは逆に『患者群と非患者群についき原因と思われる因子を有する割合を比較するもの』です。対照群を身長に設定することが肝となります。
調査対象者から因子の有無を調査し、以下に示すような2×2分割表を作成してオッズ比の計算を行うのが流れとなります。下の表では肺癌と喫煙の関係性について調べることを目的としています。

オッズ比というのは、患者群、コントロール群の二つのグループでそれぞれの因子(喫煙)の有無に関するオッズを計算し、それらの比を取った物です。
(A/C)/(B/D) = AD/BC

対照群は任意に設定されるため、下の表における A/(A + B)やC/(C + D)といった計算がナンセンスであることに注意が必要となります。A + BやC + Dの計算することに意味があるのは、『喫煙している集団と喫煙していない集団』を想定してしまうことになり誤りです。

前向き試験であれば、A + Bや C+Dを計算することに関して意義があります。この場合は、原因(喫煙)を先に入手して、結果(肺癌の発病の有無)を後から確認するからです。症例対照研究では、結果を入手してから原因を調べるため、このようなロジックは通用しません。

症例対照研究では、オッズ比を相対危険(Rerative Risk)と解釈します。


【参考文献】
古川俊之 丹後俊郎『医学への統計学』朝倉書店 1993 4 - 5pp

科学研究の基本的サイクル

統計学を学習する上で科学研究の基本的サイクルを意識することは非常に重要です。なぜなら、統計学が科学にとってどのような位置づけであるかを見極めることができるからです。

古川俊之先生、丹後俊郎先生が書かれた名著「医学への統計学」には以下の三つが科学研究の基本的サイクルとして挙げられています。

1) 新しい仮説の設定(hypothesis generation)
2) 必要なデータの収集(data collection)
3) データに基づく仮説の検証(hypothesis testing)

これを眺めていると、どの工程においても統計学の本質を意識した振る舞いが要求されることが理解されます。

【参考文献】
古川俊之 丹後俊郎『医学への統計学』朝倉書店 1993 1pp

精度と妥当性

標本抽出を行う上で欠かせないのが、精度と妥当性に対しての配慮です。
精度とは偶然誤差の度合いを指し示すもので、再現性repeatabilityとも呼ばれます。
一方、妥当性とは系統誤差の度合いを示すものです。

「偶然誤差、系統誤差をとおに小さくし、精度、妥当性の高い標本抽出を行わなくてはなりません」




中村良一「基礎から学ぶ 楽しい疫学」医学書院 2002 87 - 92pp

誤差の分類

私たちは、真の有病率や疾患のリスク因子といったものを知ることはできません。そこで、研究の対象集団である標的集団 target populationから観察集団 study populationを無作為に抽出して観察や介入を行います。
その過程で種々の誤差が生じることが知られています。今回はその誤差について系統的にまとめを行いました。

誤差にはまず大きく分けて偶然誤差と系統誤差biasがあります。偶然誤差はサンプリングにおける全くの偶然により生じるものです。これは統計学的推定や検定などの推測統計学による確率論的なアプローチで、誤差の大きさが可能です。一方、系統誤差は一定の方向性をもった誤差です。系統後さはさらに選択biasと誤分類を含む狭義の偏りと交絡に分けられます。狭義の偏りに関しては、研究計画段階でしっかりと制御しておくことが必須であり、解析段階では制御不能であることに注意が必要です。一方、交絡に関しては、解析段階でも制御可能です(もちろん、交絡に関係する変数に関する情報を入手しておくことが前提です)。


中村良一「基礎から学ぶ 楽しい疫学」医学書院 2002 88pp


代表的な確率分布

以下の図は代表的な確率分布を示しています。











##各分布をRを用いて描写する。


$ #Rを起動
$ R

png("binom.png")
#二項分布(n=20, p=0.25)
x<- 0:40
plot(x,dbinom(x,20,prob=0.25), type="h", main="Binomial distribution(n=20, p=0.25)")
dev.off()

png("poisson.png")
#λ=5のポアソン分布
x<- 0:40
plot(x, dpois(x, lambda=5, log=FALSE), type="h",
 main="Poisson distribution(lambda=5)")

png("z.png")
#標準正規分布
curve(dnorm(x,0,1), 
ylab="probability", main="Standard normal distribution(mean=0, S.D=1)", from=-4, to=4)
dev.off()

png("chi.png")
#自由度3のカイ2乗分布
curve(dchisq(x,3),from=0,to=20, 
ylab="probability", main="Chi square distribution(df=3)")
dev.off()

png("f.png")
#自由度(3,5)のF分布
curve(df(x,3,5), 
ylab="probability", main="F Distribution(df=3,5)")
dev.off()

#Rを終了
q()









【参考文献】
栗原 伸一『入門統計学』Ohmsha, 2011, 24-31pp


測定尺度によるデータ分類

データによって、実施できる計算や統計的手法が異なります。そのため、データの種類を分類することは大変重要です。

いかに、Stanley Smith Stevens(1946)による測定尺度によるデータ分類を示します。

以下各々のデータの種類に関して簡単な説明。

<比率データ>
長さや重さ、時間や金額など、絶対的なゼロ点を持っている測定尺度。加減乗除のすべてがゆるされる。
ex) 質量、長さ、年齢、時間、金額

<間隔データ>
絶対的なゼロ点を持たないデータ。加減法はできるが、乗除は許されない。「今日の気温は昨日の2倍暑いな」は許されない。
ex) 温度(摂氏)、知能指数 

<順位データ>
満足度を5段階で評価するときなどに使用。カテゴリデータが名義尺度が用いられるのに対して、順位データは順位尺度が使用される。代表値は中央値や、最頻値を使用。
ex) 満足度、選好度、硬度

<カテゴリデータ>
名義尺度で測定されたデータ。たんなり割り振り。直接できる演算は度数カウントのみ。代表値は最頻値が使用される。
ex) 電話番号、性別、血液型

【参考文献】
栗原 伸一『入門統計学』Ohmsha, 2011, 2-5pp


限られた社会的予算の下での医療プログラムの選択


大学の疫学の講義で大変印象深いと問いかけが行われたので紹介したいと思います。

「特定の疾患の患者200人の治療に1億円が用意されている。複数の医療プログラム(A, B, B')について、それぞれ期待される成果(HY: Healthy Life Year)と費用が表に示されている。皆さんなら、どの医療プログラムを選択しますか。」


表: 医療プログラムと成果及び費用



表:計算結果

これは、いわゆる費用対効果に関する問題提起です。プログラムBは患者1人あたりの費用が1000万円と高額であり、そのため患者集団全体への効果や受信可能患者割合は3つのうちで最低になっています。一番安価なプログラムAは100%の患者が受診できますが、患者集団全体を見た場合の効果はB'に劣っています。このような例は臨床現場でたくさん存在すると思います。次々に新薬が登場し、患者さんの利益につながる一方で財政面で深刻な問題を生じているのも事実です。医療政策とはこのような問題を扱うという点において、ひと味違ったやりがいがあるのではないかと想像します。

コンソート声明に基づいたランダム化試験のデザイン

無作為ランダム化試験は臨床医学研究の分野では信頼性の高いエビデンスを確立する上で、必須となってきています。

ランダム化比較試験の統一化しようとの試みで、CONSORT statment(Consolidated Statndards of Reporting Trials)がという宣言が出されています。

以下に、そのCONSORT statmentに基づいたランダム化試験のデザインのフローチャートを示します。








しっかりとしたクライテリアの下で品質の保証された臨床研究が行われていって欲しいものです。