2群比較における検定方法の選択


『入門統計学』Ohmsha, 2011の206において、2群比較の検定法における選択基準が議論されています。




著者は、小標本であろうと大標本であろうと、parametricとnonparametricの両方の手法を用いた検定を推奨しています。


一般に、2群比較を行う場合、データの母集団が正規分布であるか検定を行います(ex. Shapiro test)。実験生物学の場面ではしばしば、サンプル数が5程度の小標本であることがあります。そういった場合、正規性の検定における検出力が小さく、正規性は棄却されません。一方、データ数を増やして行くと、検出力が上がりある程度の数になると大抵の場合、正規性が棄却されてしまします。そうしたジレンマを著者は指摘しています。


これを受けて著者は、「テキストによっては、標本サイズが小さい(データ数が少ない)場合にはノンパラメトリック手法を使うべきであると書いてあります。これは正しくもあり間違ってもいます。」と述べるに至っています。


しかし、私の経験上はあまりparametricとnonparametricの両手法による検定結果を併記しているケースに遭遇したことはありません。



【参考文献】
栗原 伸一『入門統計学』Ohmsha, 2011, 206pp