カンブリア爆発の前後の動物群

5.4億年に生物の多様性が飛躍的に増大した出来事をカンブリア爆発と呼びます。
カンブリア爆発の前には(1)エディアカラ動物群、(2)カンブリア爆発の後にはバージェス動物群と呼ばれる動物群が存在しました。
それぞれについて特徴を述べます。

(1)エディアカラ動物群 : Ediacaran Fauna
オーストラリア、アデレードの北部にあるエディアカラ丘陵から、クラゲやゴカイの仲間と思われる動物の化石が発見され、「エディアカラ動物群」と名付けられました。この動物群は今から6億年前から5億4200万年前に、地球上に最初に現れた大型の動物のグループで、襲う敵のいない、おだやかな環境に暮らしていました。これらは、先カンブリア時代の終わり頃に絶滅してしまい、子孫を残すことができませんでした。


(2)バージェス動物群 : Burgess Fauna
カナダ西部、ロッキー山脈のバージェス近くの頁岩(バージェス頁岩)から、70属130腫、数万個数万個にものぼる化石が発見され、「バージェス動物群」と呼ばれています。この中には、現在の無脊椎動物の祖先がほとんど含まれるだけでなく、脊椎動物の祖先らしい動物も見られ、カンブリア紀に生物が爆発的に増えた証拠となっています。これと同じ頃の化石が、中国の雲南(ユンナン)省の澄江(チェンジャン)やインドなど、世界の34カ所から見つかっています。
#代表的動物
・アノマリカリス
カンブリア紀最大の肉食動物。
・ピカイア
脊索動物の祖先。私たち人間の遠い祖先でもあります。カンブリア紀の時期(5.4億年前)に私たちの祖先はこのような形態であったかと思うと、不思議な気分になります。



【参考文献】
豊橋市自然史博物館 『豊橋市自然史博物館 総合案内』
井出利憲「分子生物学講義中継 生物の多様性と進化の驚異」羊土社 2010 37pp